- 娘の「私立で吹奏楽をやりたい」という一言
- 中3の娘と吹奏楽の出会い
- 元々の進路と心変わり
- シングルマザーにとっての大きな壁
- 実は前から言っていた希望
- 担任の先生の後押し
- 元夫へのお願い
- 元夫からの返事と意外な驚き
- 現実的な答え
- 私の思い
- 公立の吹奏楽部も選択肢に
- 吹奏楽にも種類がある
- 公立の選択肢は消えた
- 初めての希望校オープンスクール
- ① 全国的に有名な女子校(隣の市)
- ② 娘の第一希望、県内中心地の共学校
- ③ 昔から有名な女子校(高速で1時間)
- 娘と私の結論
- 夏のコンクールと新しい出会い
- 初めてのマーチング挑戦
- 厳しいけれど、楽しい日々
- 部活動説明で突きつけられた現実
- 通学の現実と寮費の壁
- 奨学金と家計の限界
- それでも諦めきれない気持ち
- 盲点だった通学方法
- 母としての覚悟
- 入部時と年間の部活動費(説明会で聞いた内容)
- 通学費
- 学校関係でかかるその他の費用
- 不明な部分は今後確認
- まとめ(これからの思い)
- そして現実(笑)
娘の「私立で吹奏楽をやりたい」という一言
中学3年の娘が、突然こう言いました。
「高校でも吹奏楽がしたいので、私立高校の吹奏楽強豪校に行きたいです。」
それまで希望していたのは、メイク系の専門コースがある私立高校。
学費面で不安はあったものの、卒業後は就職予定だったため、大学進学の資金を回せば何とかなる…と考えていました。
ところが、この「吹奏楽強豪校に行きたい」という言葉で計画は大きく揺れました。
中3の娘と吹奏楽の出会い
うちの娘は、中学1年生のときから吹奏楽部に所属しています。
…といっても、当時の部は「同好会みたいな感じ」で、コンクールにも出ていないレベル。
そんな中、部活動が地域移行になる流れで、市内の中学校合同で新人コンクールに出場することに。
そこで経験した「レベルの高い練習」と「本番の達成感」が、娘の心を大きく動かしたようです。
「自分たちの学校でも、コンクールを目指したい」
そう考えるようになり、2年生の夏が終わって自分たちの代になったとき、娘は部長に。
新人コンクールで一緒に出場した学校の1つと合同チームを組み、吹奏楽コンクールを目指して一生懸命練習する日々が始まりました。
元々の進路と心変わり
もともと娘の進路は「メイク系の仕事につきたい」というもので、専門コースがある私立高校を希望していました。
学費面での不安はあったものの、大学や専門学校に行くための資金を高校にまわせば何とかなるかな…と考え、その方向で進めていました。
ところが、進路説明会の前日の夜。
娘から、こんなふうに切り出されたんです。
「大事な話、お願いがあります。高校でも吹奏楽がしたいので、私立高校の吹奏楽強豪校に行きたいです。」
シングルマザーにとっての大きな壁
正直、「えっ…」というのが第一声。
私立というだけでも公立より負担は大きいのに、吹奏楽部に入るとなると…
遠征費、活動費、ユニフォーム代、楽器代…。
吹奏楽に詳しくない私でも、相当なお金がかかることは想像できました。
実は前から言っていた希望
よく思い返せば、弱い部ながらも1年生の頃から、他の学校の定期演奏会を見に行っていた娘。
「吹奏楽強豪校に行きたい」という話は、以前からポロっと口にしていました。
でも私は、
「うちはお金がないから無理!」
と、真剣に話を聞こうともしていませんでした。
担任の先生の後押し
そんな中、担任の先生との面談で娘がこう話したそうです。
「本当は吹奏楽強豪校に行きたいけど、うちは離婚して親同士が連絡を取っていないくらいなので、行きたいと言えません。」
それを聞いた先生はこう言ったそうです。
「親は子どものためになら、何でもするのが親だよ。言ってみなさい。」
先生は新婚で、まっすぐな性格の方。
その言葉に背中を押され、娘は私に伝えてきたわけです。
…うん、先生の言うことは分かる。
でも、うちにはうちの事情があるんだよなぁ・・・。
元夫へのお願い
とりあえず、私は娘にこう返しました。
「じゃあ一度、お父さんに補助してくれるか聞いてみなさい。」
離婚のときにお金のことでなかなか話がまとまらなかった経緯もあり、正直期待はしていませんでした。
でも、娘の頼みなら少しは援助してくれるかもしれない…そんな淡い期待はありました。
海外出張中だった元夫に、娘はLINEでこう送ったそうです。
「高校でも吹奏楽をしたいので、私立高校の吹奏楽強豪校に行きたいです。
学費はお母さんが出してくれるので、吹奏楽のお金を援助してくれませんか?」
元夫からの返事と意外な驚き
正直、私が元夫とLINEでやり取りしていた頃、まともに返事をもらえたことがほとんどありませんでした。
だから、娘が送ったLINEに対して、3日後とはいえ返事が来たこと自体に、まず驚きました。
もし返事がなかったら…
調停離婚のときに作った調停調書に「私立へ進学する場合は養育費について別途協議する」と書いてあったこともあり、弁護士に相談しようかとも考えていました。
現実的な答え
届いた返事は、こんな内容でした。
「吹奏楽の事は応援してます。けど、援助はできません。
公立高校にも吹奏楽部でいいところはあります。
公立高校を考えてみませんか?」
返事を娘に伝えると、彼女はしばらく黙っていました。
もともと「少しくらいは援助してくれるかもしれない」と思っていたようで、相当ショックを受けたようです。
養育費こそ毎月きちんと振り込んでくれてはいるけれど、
「仕事が忙しいから」と娘たちに会おうとはしていない元夫。
その現実と今回の返事が重なって、娘の中では
「お父さんは、私たちのことはもうどうでもいいんだ」
という思いが強くなってしまったように見えました。
私の思い
私はそんな娘の表情を見ながら、胸が締めつけられる思いでした。
応援したい。でも現実は厳しい。
その狭間で、私も揺れていました。
娘の表情を見て、私は思いました。
「だからこそ、夢を叶えてあげたい」──と。
お金の援助はもらえなくても、できる方法を探してあげたい。
そんな気持ちが、心の中でどんどん大きくなっていきました。
最初は、調停調書に書いてある「私立へ進学する場合は別途養育費について協議する」という文言を頼りに、弁護士の先生に相談しようとも考えました。
でも、LINEの返事を見て、期待薄だと感じたのも正直なところ。
やっと平穏な日々が戻ってきた今、またやり取りを始めることで心理的な負担が増えるのも避けたかった。
それに、弁護士への相談は当然お金もかかります。
もし相談しても、思った以上に援助してもらえなければ──結果的に、時間もお金も気持ちもマイナスになる。
そう考えて、今回は弁護士への相談はやめました。
公立の吹奏楽部も選択肢に
元夫からの返事を受けて、まずは「公立高校で吹奏楽ができる可能性」を探してみることにしました。
私は高校での吹奏楽について何も分かりません。
同じ職場に、吹奏楽にとても詳しい同僚ママがいて
その方のお子さんは、県内でも有名な吹奏楽強豪私立に通っているのは以前から聞いてました。
思い切って相談してみたところ──
「まず、公立高校でも吹奏楽部があるところはたくさんあるよ」と教えてくれました。
吹奏楽にも種類がある
さらに、吹奏楽とひとくちに言っても、活動のスタイルには色々あるそうです。
- 座奏(ざそう):椅子に座って演奏するスタイル。コンサート形式の発表が多い。
- マーチング:歩きながら演奏するスタイル。行進やフォーメーションもあり、見た目も華やか。
- 少人数編成:小編成コンクールやアンサンブルをメインに活動する部もある。
同僚ママ曰く、「どのスタイルかによって、活動の雰囲気も費用も大きく変わる」とのこと。
公立でも座奏中心の学校もあるし、マーチングで全国を目指す学校もあるらしい。
公立の選択肢は消えた
県内公立の有名校はマーチング中心+学力の高い進学校ばかり。
娘の学力的に、公立+強豪校という条件はほぼ不可能。
さらに同僚ママからは「公立の座奏でコンクール常連はほぼないよ…。」と。
吹奏楽部がある公立高校はたくさんある。
でも娘がやりたいのは、ただ“部活をやる”だけじゃなく、座奏でコンクールを本気で目指す環境。
条件に合う学校がない以上、選択肢は自然と私立に絞られました。
初めての希望校オープンスクール
公立は条件的に難しい──そう判断して、次は私立の吹奏楽強豪校を本格的に見に行くことにしました。
この夏、娘と一緒に希望校のオープンスクールへ。
① 全国的に有名な女子校(隣の市)
最初に訪れたのは、隣の市にある女子校。
全国的にも有名で、テレビにもたびたび登場する「吹奏楽=ここ」というくらいの名門です。
初めてのオープンスクールで、勝手も分からず参加した私たち。
会場に行くと、見学に来ているほとんどの子が楽器持参。
この日は部活体験として、先生や高校生と一緒に合奏するスタイルだったのです。
娘は楽器を持って行っていなかったため、少し残念そうな表情。
それでも、同じように楽器を持参していない子たちと一緒に見学しました。
授業コースや校舎も見学し、学校全体の雰囲気も良かったのですが──女子校という点が、娘の第一希望からは外れる要因に。
② 娘の第一希望、県内中心地の共学校
次に訪れたのは、県の中心市内にある共学校。
吹奏楽だけでなく、学校全体に活気があり、見学者数も過去最高レベル。
先生は若い方が多く、生徒も主体的で明るく、どこか娘の中学校に似た雰囲気がありました。
吹奏楽部は「楽しく!」をモットーにしながらも、コンクール常連校。
さらに普通科だけでなく、情報ビジネスコースもあり、簿記など就職に有利な検定が取れるクラスも。
吹奏楽を抜きにしても、親として通わせたいと思える高校でした。
ただ、自宅からの通学は困難で、入学するなら寮生活。
寮費55,000円+食費で、毎月約10万円かかるとの説明に、私の頭は一瞬で真っ白に…。
③ 昔から有名な女子校(高速で1時間)
最後に訪れたのは、高速で約1時間の距離にある女子校。
ここも昔から吹奏楽で有名な学校です。
校舎は建て替えられていて新しく、先生も生徒も雰囲気が良好。
ただ、通うにはやはり寮生活が必須。
見学を終えて帰る道中、正直私は「距離的にかなり遠いな…」と感じました。
授業参観やイベント時に通うことを考えると、少し負担が大きい印象です。
娘と私の結論
金銭的なことを考えなければ、娘も私も②の共学校一択でした。
部活の雰囲気、学校全体の活気、進路の選択肢…すべてが魅力的。
けれど、現実はそう甘くありません。
寮費+食費で月10万円──この金額が、私たち親子の前に大きな壁として立ちはだかりました。
夏のコンクールと新しい出会い
この夏の中学校吹奏楽コンクールは、銀賞という結果。
それでも、一緒に練習した他校の生徒とも仲良くなり、その中の1人が②の共学校を希望していることを知った娘。
さらに、以前新人コンクールで一緒に演奏した強豪中学校から「マーチングに参加しませんか?」と誘いを受けました。
初めてのマーチング挑戦
娘は吹奏楽での高校進学を考えていましたが、マーチングは未経験。
それでも「またとないチャンス!」と、うちの中学校からは単身で参加を決意。
②のオープンスクール参加時には、パート別練習でその強豪中学校の部長とペアになり、部活動体験をしました。
レベルの高さに圧倒され、思ったように吹けなかったものの、
「すごく楽しかった!」
と、笑顔で話してくれました。
厳しいけれど、楽しい日々
マーチングは、強豪中学校の他の3年生と比べれば娘は完全な初心者。
最初は全然できませんでしたが、強豪校の同じ3年生は熱心に教えてくれ、ハードながらも毎日楽しそうに練習へ通っています。
家ではふざけてばかりで調子のいい娘。正直、腹が立つことも多い。
それでも、演奏している姿や一生懸命練習している姿を見ると──
**「なんとか通わせてあげたい」**という気持ちが、私の中で強くなっていきました。
部活動説明で突きつけられた現実
①や③のオープンスクールは半日でしたが、②は丸1日。
午後からは部活動体験に加え、保護者向けに金銭的負担の説明がありました。
入部時のユニフォーム代、部費、保護者会費、遠征費、外部講師へのレッスン料。
さらに、今年は初めて海外遠征を行ったとのこと。
総額の実費については明言されませんでしたが、別の強豪私立に通わせている同僚ママ曰く、
「うちよりもお金はかかりそう」
とのこと。
これに加えて、毎月の寮費がのしかかります。
通学の現実と寮費の壁
私は「寮費には食費も含まれている」と思っていましたが、実際は別。
寮+食費で、負担はさらに重くなります。
バス通学も検討しましたが、学校専用バスはなく、近くのバス停まで送迎が必要。
一番早い便(6時前発)でも朝練開始の7時には間に合うかどうか。
しかも、他の先輩ママによると、
「雨の日は1時間くらい普通に遅延するよ」
とのこと。
私も仕事があるため、その度に市内まで1時間近く送迎するのは現実的ではなく、**「寮しかないのか…」**と思いました。
奨学金と家計の限界
県の育英資金制度(毎月3万5千円)には申し込む予定ですが、これでは食費で消えてしまいます。
さらに生活費としてプラスでかかる分をどうするか…。
離婚時の財産分与で貯金はあるけれど、3姉妹の長女だけに使い切るわけにはいきません。
下の二人には私立を諦めてもらい、長女だけなんとか…?
でも私の老後資金もあるし、もし私に何かあって働けなくなったら…?
将来、音楽の道に進むわけでもないのに、そこまでして通わせる必要はある?
シングルマザーが奨学金や給付金を受けてまで、私立の吹奏楽強豪校へ進学させるのは贅沢なの…?
それでも諦めきれない気持ち
頭では「無理かもしれない」と思いながらも、娘に「お金がないから諦めて」と伝えるのは、私自身が一番悔しい。
私の実家もお金がなく、大学進学ははなから無理な家庭でした。
だから私は商業高校へ進み、卒業後は就職。
やりたいことも特になく、流されるように進路を決めた自分だからこそ、やりたいことがある娘が羨ましく、応援したい気持ちが強くなります。
盲点だった通学方法
娘とのやりとりで、コンクールで一緒だった隣の中学校の子が②に通う方法を聞いてもらいました。
すると──「電車通学」との答え。
うちから一番近い駅は車で15〜20分。
始発は5時50分で、1回乗り継ぎが必要ですが、バスのような遅延はほぼなし。料金もバスより安い。
私が駅まで送迎すれば、朝練にも間に合うことがわかりました。
もちろん毎日お弁当が必要で、5時前には起きて弁当作り+下の子たちの準備+自分の仕事の用意…。
帰りも残業後に駅まで迎えに行くため、今までより私の負担は大きくなるけど、通学は可能という光が見えました。
母としての覚悟
家事的な負担は、他のすべてを一人でこなしているシングルママに比べると、母と同居している私は本当に恵まれています。
早朝や残業後の送り迎えやお弁当作りは大変だけれど、世のお母さんたちはみんな頑張ってる!!
そう考えると、私も今こそ頑張りどころだと感じました。
もし寮に入ったら、年間100万円を超える寮費と生活費がかかるところを、電車通学にすることでカバーできる。
そう思ったら、あとは私が頑張るしかない──そう腹をくくりました。
ここからは、説明会で聞いた話や、他の保護者の方から聞いたおおよその目安をもとにした私の試算です。
実際に通ってみないと確定はできないので、参考程度に読んでくださいね。
入部時と年間の部活動費(説明会で聞いた内容)
オープンスクールで説明があった費用は以下の通りです。
入部時にかかる主な費用
- ユニフォーム代
- 保護者会費:各月
- 部費:各月
- 外部講師レッスン料
- 遠征費:実費
※海外遠征は1人60万円だが、クラウドファンディング実施により実費は不明
楽器について
クラリネットは学校からの貸し出しで、個人負担はなしとのこと。
通学費
電車通学の場合、片道は約600円前後。
通学定期は1ヶ月11,450円(最寄駅までの車送迎あり)。
学校関係でかかるその他の費用
授業料は私立でも無償化の対象ですが、以下は自己負担です。
- 入学金
- 制服代
- 教科書代
- 施設運営費
- 情報コース希望者はパソコン必須(PC代:約10万円)
不明な部分は今後確認
9月に予定されている2回目のオープンスクールで、
遠征費の回数や海外遠征時の実費負担額など、さらに詳しく確認する予定です。
まとめ(これからの思い)
娘が私立の吹奏楽強豪校に行きたいと言い出し、元夫からの援助も期待できないと分かったときは、本当に気が重くなりました。
貯金は少しあるけれど、生活防衛資金には手をつけられません。
三姉妹の長女に、シングルマザーで大きな収入があるわけでもない私が、無理をして通わせるべきなのか…?
「贅沢なんじゃないか?」という思いもありました。
そんな中、駅まで送迎すれば電車通学が可能だと分かり、年間100万円近くかかる寮費をカバーできるという希望の光が見えました。
ここは、母として頑張りどころなのかもしれません。
もし娘が公立に行けば、お金は残るでしょう。
けれど最近思うのは、「生まれてきた意味」について。
人と関わらなければ嫌なことは起きないけれど、嬉しいことも起きない。
人生は思い出作りなんじゃないかな、と。
嫌なことも楽しいことも、いろんな経験を重ねることこそ、本当の財産。
だからこそ、子どもとの旅行も“子どものため”というより、私自身の思い出作り(笑)。
学校の役員だって、離婚してからは積極的に参加してきました。
必要以上にお金を残すことに全力を注ぐより、今こそ子どもの夢のために頑張るときが来た──。
もしかしたら、これが私の人生最大の山場なのかもしれません。
そして現実(笑)
ここまで考え、シミュレーションもしたけれど…
希望校は学力的に少し足りていません(笑)。
夏休みも後半。マーチング練習も大変だけど、勉強も頑張らないとそもそも受験すらできないぞ!
どうなることやら…というのが、今の正直な気持ちです。
それでも母として、できる限りの準備と応援はしていきたいと思っています。
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